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"林間の家"を通して.その1

山梨県北杜市に完成しました”林間の家"を通して

感じたこと、学んだことなどを

数回に分けて綴りたいと思います。

 

とめどない内容になりそうですが

お読み頂けたら嬉しいです。

 

 

さて、第1回目は

設計初期段階でのことからです。

 

 

まず、施主・Kさんとの出会いから。

Kさんから設計のご依頼があったのは

共通の知人からの紹介でした。

 

初めてKさんにお会いした際に尋ねられたのは、

「二重通気をどう思うか」みたいな内容であったと記憶しています。

もともと勤めていた事務所では

二重通気工法を採用しておりましたので

基本的な知識や特徴はよく分かっていました。

 

ただ、昨今の超高気密化の流れのなか

二重通気工法の採用は減り、独立後は1軒もありません。

それでも私は好意的に捉えており

建物が呼吸することの魅力を忘れておりませんでした。

 

なので、その場ですぐに

二重通気に対する私なりの見解をお話し

また、私の住宅設計に対する考え方もお伝えしました。

 

 

Kさんは、私の実績については

全く分からないにもかかわらず

そのときの、立ち話のような状況での面談から

正式にご依頼して頂けたことがとても嬉しく

また、改めて二重通気工法と向き合える機会に

巡り会えたことにワクワクしたこと

今でも覚えています。

 

 

 

"林間の家"で採用した「WB工法」の概念模型

断熱材の外側と内側、二重に通気を確保する工法です。

WBとは、ダブル(W)ブレス(B)

類似の工法はいくつかありますが

本社のある長野県を中心に東北から九州まで採用されている工法。

 

二重通気の特性から、断熱性能や気密性能は一定以上、上げ難い。

しかし、数値では現れない快適さがあると言われており

それは、調湿や透湿からくるとのこと。

 

湿度と快適性の関係性は分かってはいたが

WBショールームで体感できたことは大きかった。

 

また、視点は少し違うが「KANSO」という

調熱・調湿する工法が存在することを知ったことにより

調湿をもっと深掘りしたいと思うようになりました。

 

<続く>